4年ぶりの通常開催となった海城中学高等学校学園祭「海城祭」。2万人の来場者数を誇る人気の本イベントを、2023年9月16日に取材。今回のテーマ「煌」をキーワードに、校内での展示や催し物をご紹介。また環境教材やものづくりを体験できる教材校舎サイエンスセンター(新理科館)についてもレポートします。
海城中学高等学校
学園祭「海城祭」
1891年(明治24年)に開校した歴史ある海城中学高等学校。
その海城中学高等学校の学園祭で、今年で132回を迎える「海城祭」が2023年9月16日及び17日に開催されました。
コロナ禍を経て、4年ぶりの通常開催となる本学園祭は、2万人の来場者数を誇る人気のイベントです。
今回のテーマは「煌」。学校ステーションは、初日の9月16日に取材。様々な催し物はもちろん、環境教材やものづくりを体験できる教材校舎「新理科館」についてもレポートします。
なお、132nd 海城祭『煌 -KIRAMEKI-』のYouTubeチャンネルでは、初日の様子や準備の様子、学校案内などの動画も投稿されています。「海城祭」及び海城中学高等学校の様子がより一層わかると思いますので、併せてチェックすることをお勧めします。
海城中学高等学校Website
https://www.kaijo.ed.jp/
132nd 海城祭『煌 -KIRAMEKI-』YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@kaijo-fest
第132回「海城祭」 レポート
2023年9月16日「海城祭」当日。会場には朝から200人ほどが並んで待っていました。
入ってすぐのミニステージではトークイベントが行われており、既に人だかりが出来ていました。
サイエンスセンター
新理科館
2021年7月に完成したサイエンス・センター / Science Centerは、学生などには「新理科館」と呼ばれています。
「建物自体を教材に」をコンセプトとし、様々な環境配慮手法等が導入され、その内容や仕組み、効果を「見える化」している建物になります。
屋上にはソラーパネル、風力発電を備えていて新理科館の電力の一部を補っており、ガラスと木材を中心とした斬新な建物になっています。
1階には物理・地学、2階に生物、3階に化学の実験室がそれぞれ配置されている他、共同実験室や階段教室などがあり、9つの実験室、2つの教室、そして理科職員室を備えています。
海城中学高等学校 施設紹介ページ
https://www.kaijo.ed.jp/about/facilities/
2021年11月公開「新理科館」紹介動画
新理科館 各部展示
地学部
新理科館の1階に入ると、同館建設の際に直接はぎとられた地層の標本が足元に飾られていました。なかなか見られない光景で、参加者も興味深く見ていました。
地学部の教室に入ると、多数の鉱物、化石の展示に加えて、日本各地の天然水についての表示や、自作のプラネタリウム、天体模型、黄鉄鉱を採取するパンニング体験 等、盛沢山な内容となっており、人気を集めていました。
鉱石の展示
アンモナイトの化石展示
ウミユリの化石展示
日本各地の天然水についての表示
天体模型の展示
生徒製作によるプラネタリウム
パンニング体験コーナー
※パンニングとは、お椀状の皿と水を用いて砂や礫を取り除き、砂金等の重鉱物を集める作業のこと。日本語では「椀掛け(わんがけ)」と言う。
物理部
物理部は、普段の活動ではロボット、電子工作プログラミング、動画編集、アマチア無線、プロジェクションマッピング、ドローン制作等を行ってます。
海城祭では、物理部の教室にはNHKの番組「ピタゴラスイッチ」でお馴染みの装置が、大きなサイズで制作され、展示されていました。
その仕組みに惹かれる様に多くの人が集まり、装置を実際に動かして遊ぶなど、人だかりが出来ていました。
また、ドローンも展示されていました。
生物部
新理科館の2階にある生物部では、植物、爬虫類、虫、両生類、魚 等の生物が展示され、大人気のブースとなっていました。
それぞれの班に分けて生物を採取、飼育した内容を研究にまとめ展示するなど、単なる説明に終わらない展示が魅力的でした。
昆虫の展示
サンショウウオ
研究レポートの展示
化学部
新理科館 3階には化学部のブースがあり、白クマの化学実験が行なわれていました。化学部ブースは例年人気があり、今回も人混みができていました。
また以下の8種類の実験も実施していました。
1)小さな雷、2)錬金術、3)砂糖の発火、4)銀鏡反応、5)時計反応、6)過飽和、7)閃光、8)ガラス
白クマの化学実験
炎色反応の実験
ガラスの実験
その他の展示 / 催し
軽音楽部 / 奇術部
サイエンスセンター/ 新理科館のそれぞれの展示品、実験を堪能した後、2号館7階に行ってみると軽音楽部のバンドがロックを演奏していました。
また奥では、奇術部のブースにてジャグリング体験が実施されており、来場者が楽しそうに挑戦していました。
鉄道研究会 / 航空研究部
2号館6階では、鉄道研究会 / 航空研究部のブースに人が集まっていました。
素晴らしい巨大ジオラマの展示や、鉄道の運転シミュレータがあり、実際の運転体験を部員が丁寧に教えていました。
巨大ジオラマの展示
鉄道の運転シミュレータ
航空研究部は、飛行機のシミュレーターを体験出来るコーナーを実施。来場者の人気を博していました。
文芸部
文芸部の展示室では、文芸部と美術部のコラボレーションによる「句から絵・絵から句」をテーマとした作品を展示した「絵×句展」が開催されていました。いずれも素晴らしい作品ばかりでした。
模型部・数学部・
将棋部
2号館4階の模型部展示室に入ると、ブースいっぱいに精巧な、戦艦、戦車、飛行機、お城、五重塔等の模型が展示されていました。どれも見事な仕上がりでした。
模型部と同じ階にあった数学部展示室では、海城中学の試験問題を想定した数学予想問題を展示。多数のお子さんが真剣に取り組んでいました。
2号館3階にあった将棋部のブースでは、初心者から有段者まで楽しめるように、海城将棋部が参加者の相手をしており賑わっていました。
海城祭の魅力
今回 取材をしてみて、改めて海城祭の来場者数が2日間で2万人に達するのが分かるような気がしました。
文化祭は生徒さん達が日々培った研究を発表する最大のイベントだと思います。
各部の生徒さん達が「海城祭」とそれぞれ真剣に向き合い、1人1人しっかりとした考えをもって行動。来場した方々に楽しんでもらえる様、各展示やイベントにチカラを注ぎながら、生徒さん達自身も楽しんで行っている気がしました。
また、そういった生徒さん達の研究心を培う上で、サイエンスセンター/新理科館がいかに大きな役割を担っているかも実感しました。
これから海城中学高等学校を受験する子供たちにとっても、「海城祭」は学校の雰囲気や先輩たちの学びの姿勢を知る事が出来る、貴重なイベントです。
在校生はもちろん、来場者の為にも、来年も入場制限のない「海城祭」が開催できることを、心より願わずにはいられません。
海城中学高等学校
https://www.kaijo.ed.jp/
〒169-0072 東京都新宿区大久保3-6-1