学校 小学生向け ニュース

東京から地方へリモートでプログラミング授業・仙台白百合学園小学校×アントレキッズ

仙台白百合学園小学校 (所在地:宮城県仙台市)と、株式会社アントレキッズ(本社:東京都渋谷区)は、2020年7月13日(月)に、「リモートプログラミング授業」を実施。当日の様子のレポートが届きましたので、ご紹介致します。

実施の背景

2020年4月より小学校学習指導要領に導入された「プログラミング教育」について、実際の教育現場ではまだまだ十分に実施できる環境が整っておらず、多くの教員が不安を抱えているという声があります。

更に、元々不安を抱えていた中に、追い打ちを掛けるようにコロナ禍によるダメージも加わりました。コロナの影響により停止していた授業の大きな遅れを取り戻すことが優先され、新しく導入された「プログラミング教育」に手を付けることができていない学校が多い現状があります。

そんな中で、「プログラミング教育」への対応に不安を持っている先生方を支える取り組みとして、株式会社アントレキッズによるプロのプログラミング指導を体感していただき、現場不安の払拭を図りました。

当日の様子

まだまだコロナが予断を許さない状況のため、授業は「リモート形式」で行いました。授業のはじめにはZoomの使い方・タイピングの仕方などのパソコン・リモート授業の基本的なことを学び、導入が終わると実際に初心者向け プログラミング言語「Scratch」 を使い、ゲームの作成を学びました。

使用機材

授業用PC:インテル® Core™ i7-8650U プロセッサー搭載の「インテル® NUC 」

児童用PC:製品名「マウスコンピューター MousePro-P116B-V2-MSD-A」の「搭載プロセッサー:インテル® Pentium® Silver N5000 プロセッサー ( 4コア / 1.10GHz )」

授業詳細

児童1人に対し各1台ずつPCが割り当てられ、ZOOMで繋がれた講師とともに授業を進めました。

授業は、ZOOM画面への戻り方や「Scratch」画面への戻り方などPCの基本操作からスタート。易しい言葉でPC操作の基礎を説明し、複雑な操作も子供たちがしっかりついてこられるように工夫されていました。

また、教員は時折児童のPCを覗き込み、遠隔にいる講師の指示が通っているか都度確認し、うまく通っていない場合は児童に対して声掛けを行っていました。時には児童のサポートに回り、時には指導の仕方について理解を深める様子を見せ、「プログラミング教育」への不安を払拭できたのではないかと感じられました。

当日は報道陣を招いており、いつも以上に入念にコロナ対策を行う必要があったため、体育館で授業が実施されました。

ソーシャルディスタンスを保つために児童たちの机の間隔は広めに取られていました。そのため、近くの児童とお互いに画面を見たり、児童同士で進捗を確認たりしづらくなっていました。昨今のリモート授業では、家から授業を受ける環境も十分に考えられるため、こうした環境の中でも、理解度の違う児童に対しても十分に行き届いたサポートをする方法を模索している姿が見受けられました。

サポートの一環として、「先生方、できてない子がいたら手伝ってあげてください」と講師は教員への声かけを徹底し、挙手している児童に漏れなく指導が行き渡るようにZOOM越しに講師が教員に伝えるなど協力体制がしっかり組まれていました。

児童たちもわからないと感じたら積極的に挙手しており、意欲的に取り組んでいる様子が伺え、とても充実した授業体制だったように思います。音声、画面の表示、接続状況は良好で、授業は問題なく進行しました。講師からは、挨拶など基本的な指導もあり、子供に教えることに特化した講師を招くことで、教員にとってもより参考にしやすいプログラミング教育を体験できたように感じます。大きな声で「よろしくお願いします」という声が響く体育館で、コロナ禍を感じさせない明るい授業が進行しました。

プログラミングの基礎について

基本的なPCの基本操作を学んだ後は、プログラミングの基礎について学びました。

講師の用意した資料をもとに、プログラミングとはどういうものか、どのようなルールのもとでプログラミング言語を書くのかについて説明されました。

オンライン授業では講師が画面越しにいることになりますが、いつもの教室での授業と同じように、わからないことがあれば挙手して質問を行うことでき、講師のフォローを受けることが可能です。子供たちの理解度に合わせた授業が行われました。

導入を学び終えると、さっそく「Scratch」の実践的な説明に入ります。教員は児童の間を巡回し、一人一人に丁寧にサポートしていました。授業の途中には、教員や児童から笑い声が聞こえることも。授業の前半ではゲーム作りの基礎を通して、PCに指示を与えるという経験を積みました。

授業の後半では、教員は講師の教え方と児童のPC画面を交互に確認し、授業が進行している様子を見守りつつ、子供たちの画面を時折スマートホンで撮影し、自身が授業をする立場を想定した姿も見られました。

講師は時折、児童たちに質問を投げかけ、考える時間を与えます。モニターにはヒントが表示され、児童たちが自力で考え、能動的に授業に参加しないとプログラミングが進まない授業形態をとることで、児童たちは、手を動かし試行錯誤しながらプログラミングを進める体験を積みます。

本授業の目的でもある、論理的な思考力の向上を感じさせる工夫がなされており、この授業の目的に適した発問も、普段からプログラミング教室で児童と接してる講師ならではの強みだと感じました。

「Scratch」にはキャラクターの位置をX軸、Y軸の平面座標を用いてコントロールします。これは算数・数学の学習内容と関連づけることができる考え方で、数学的活動として取り入れることも期待できそうです。授業の後半にはより踏み込んだ複雑なプログラミングを使用してゲームを完成させるなど、成功体験を積み上げる方法で理解促進を狙っている様子が伺えました。 

授業終盤では、講師が途中まで作成したコーディングをもとに授業前半で学んだプログラミングを実践的に導入し、ゲームを完成へと導きます。実際にゲームが上手く動作したことが確認できると、会場からは拍手が自然と湧き上がりました。教員も児童も嬉しそうな笑顔を浮かべ、プログラミングの楽しさを体感できたように感じられました。

授業を実施して...
コメント

仙台白百合学園小学校
校長・早坂博之氏

今回のリモート形式での授業を実施して

今回の取り組みは、学校から子供たちとオンラインで授業するのとは全く違う雰囲気でとても有意義だったと感じます。

東京からスクラッチを使って、「プログラミングの授業」をするということで、新しい要素が多分にあり、参考になることがたくさんありました。これからは特に、世界との距離というのが縮まっていくなか、実は学校は、一番感じづらい環境。わかりやすい例としては「ひとつの教室ですべての学習が完結する」ことが必要とされる世界で、授業内容もそのように進めてきた歴史があります。

これから先、日本の国内はもちろん、海外とつながっていくことに繋がる取り組みになると期待しています。

「リモートプログラミング課外事業」を通じて、生徒たちに学んでほしい事は?  

日本の英語教育が進まない理由は、日本の中で英語が話せなくても困ることがないのがそもそも課題と考えます。

でも、そのままだと海外へ出ていく人、海外から来た人とのコミュニケーションが取れないことになり、結果経済的にも行き詰まることになります。その時がきても困らないよう、海外の人とコミュニケーション取れる人財を育成したいと思っています。

子供たちには、その「必要性を感じてもらう授業」を構築していきたいです。そういった視点では教育が進化するきっかけに、今回の授業はなると考えます。

その他・ご意見等

今回の遠隔授業についても、PCが繋がらない、分からない、というのがもっとあると思いましたが、思った以上にスムーズだったことに感謝しています。

25人対1人で行うオンライン授業の在り方を学ぶ上で、子供たちにとっても覚えなくてはいけない新しいスキームが明確になり、基本を学ぶことが出来ました。ZOOMやスクラッチの基本動作を学べたことは今後の授業に向けても大きいと考えています。

プログラミングということで、スクラッチを授業で活用しきれていない教員側が「思考を育てる」授業の具体的なイメージが持てた事も大きな収穫です。例えば、授業の中で、「これはやるべき」「これはやらなくていい」というラインが見えたと思います。

ICT担当教員・浅沼勉氏

プロのプログラミング指導について

プログラミング教育を授業の中でどのように取り入れたらいいのか、また子供たちの学習の中でデバイスがどのように活かされていくのか、その両方が上手く統一されていくのかという不安点がありました。

教員だけでは専門的な知識に限りがあったので、どこまでできるのか不安に感じていましたが、今回のように広い地域からアクセスして頂くことができて、専門の方に専門の知識を学べるという機会ができるということは、不安要素の解消につながりました。

授業を受けた子供たちの反応についての感想及び今後の授業で生かしたい事柄について

一つ操作が進むごとに停止して、やり方を丁寧に教え、実行に移すという方法が参考になりました。

加えて、講師がデモを1パターン作成した上で、もう1パターンは生徒たちに作ってもらうという形式は、見本があるように感じられて、初心者の子供たちにもやりやすかったのではないかと感じました。

プログラミング教育とPCスペックに関して

今回の取り組みを下支えしていたのが、パソコンを中心とした配信機材です。特に遠隔で配信授業を行う場合は、配信のためのインフラと、機材が非常に重要です。

今回の授業でも、滞りなく東京からの配信授業を行うため、機材のスペック・セッティングを検討し、手配しました。当日は通信・機材含め滞りなく授業が展開できたため、今後遠隔で配信授業を行う際の、1つのモデルケースとなりそうです。

宮城県のICT環境整備状況

宮城県自体が、全国的に見てもICT環境の整備が遅れており、47都道府県で比較すると「教育用コンピューター1台あたりの児童生徒数」で32位、「インターネット接続率(30mbps以上)は40位(2018年、文部科学省発表のデータによる)。

今回の取り組みが、宮城県におけるプログラミング教育普及、ICT環境整備への意識向上へのきっかけとなることを期待しています。

ICTアドバイザー 概要

  • 会社名:フューチャーインスティテュート株式会社
  • 担当者:教育コンサルタント・佐藤靖泰
  • 教育情報化コーディネータ(ITCE)2級 元宮城県教育庁義務教育課主幹(指導主事)

フューチャーインスティテュート株式会社 公式サイトURL
http://www.practica.jp/FIC/

仙台白百合学園小学校について

仙台白百合学園小学校は、全国に9校ある姉妹校の1つです。母体はシャルトル聖パウロ修道女会です。世界35か国で約4000人の修道女が福祉・医療・教育活動に従事しています。

現在ICT環境は十分とは言えませんが、次年度へ向けICT教育の整備を進めており児童一人一台のタブレット端末を活用した未来の授業を準備中です。こうしたICT教育全般への対応や学校の情報化に注力するために、仙台白百合学園小学校ではフューチャーインスティテュート株式会社(本社東京都港区)と「ICTアドバイザー業務委託」契約を締結しました。

同社の教育コンサルタントで元宮城県の指導主事等であった佐藤靖泰氏は仙台市を拠点に東北各地で学校現場を支援しており、今回の授業についても学校と事業者を繋ぐ役割を務めています。

仙台白百合学園小学校 公式ホームページURL
http://el.sendaishirayuri.net/

アントレキッズ

アントレキッズは、小学生・中学生・高校生のためのITスクールです。現役のエンジニアが様々なIT分野の仕組みを教育しています。パソコンに慣れることからアプリの作成、ホームページの作成と多種多様です。

プログラミングコースでは、その子のレベルや興味に合わせ、子供向けプログラミング言語scratchの学習、HTML/CSSでのHP作成、pythonでのAIチャットボットで作成、unityでの3Dゲーム開発を行っています。

アントレキッズ 公式サイトURL
https://entre-kids.jp/

  • この記事を書いた人

Team Little-Big

フリーランスPRエージェント、ライター、翻訳や通訳業務等。 インタビュー記事 https://ledgeweb.com/740/

PickUp

-学校, 小学生向け, ニュース

© 2021 学校ステーション